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都城で働く人々

2026.5.11

新しい一服の体験を都城から世界へ。お茶のコンシェルジュの挑戦。

大隅茶全 河合 徹哉さん

都城市の中心市街地、TERRASTAの2階にオープンした「大隅茶全」。堀口製茶が手掛けるお茶の販売、カフェの運営を行なっています。 店舗運営、EC販売、ブランディングを一手に担う河合徹哉さんは、お茶の伝統を重んじつつも、現代のライフスタイルに溶け込む「新しい一服」の形を追求し続けています。


 



 


異国の地で再確認した、日本文化という「宝物」


 


河合さんは兵庫県出身。専門学校を卒業後、アパレルやホテルなどのサービス業を経験した後、自分自身の視野を広げたいとワーキングホリデーを活用し、カナダへ渡航しました。


広大な異国の地で多様な文化に触れるほど、意外にも際立ったのは、自分がそれまで当たり前だと思っていた日本独自の文化や、豊かさでした。「外の世界を知ったからこそ、心の底から日本の素晴らしさを誇れる仕事がしたい、世界に発信したいと確信した」。その情熱の矛先が、日本文化の結晶ともいえる『お茶』へと向かうのに、時間はかかりませんでした。


 



 


対話から生まれる喜びと、 世界を見据える終わりのない試行錯誤 


 


「仕事の醍醐味は、お茶を介してお客様と心を通わせる時間」と河合さんは語ります。しかし、その情熱はすでにお茶を愛している人たちだけには留まりません。お茶に全く興味がない層にどうアプローチし、その日常にどう新しい一石を投じるか。その戦略を練り、アプローチを変えていくプロセスにこそ、強いやりがいを感じているといいます。


お客様との温度感のある対話を大切にしながらも、その視線は常に、かつて自分がいたカナダ、そしてその先の広い世界を見据えています。「日本の茶文化を、どうすれば世界の人々の暮らしに馴染む『新しいスタイル』として提案できるか」。その発信方法を模索し続ける毎日は、河合さんにとって終わりのない最高にクリエイティブな挑戦です。


 



 


「お茶を売る」のではなく「体験」をデザインする表現者へ


 


大隅茶全の空間コンセプトは、時間の旅です。世界的な茶室建築家、佐野文彦氏の手によって、販売エリアは「過去・現在・未来」の3ブロックにデザインされています。


古代から続く「土(過去)」、歳月の重なりを可視化する「杉(現在)」、そして茶葉を再利用した「漆喰(未来)」。過去から未来への変化を、視覚だけでなく素材の質感で表現したこの場所は、移り変わる素材の表情とともにお茶の歴史と進化をドラマチックに演出しています。


販売エリアの奥には「茶の場」と呼ばれる完全予約型の個室があります。茶の場は、本格的なお茶のコースや菓子を堪能しながらも、形式にとらわれない自由な交流を楽しむための空間です。急須を囲んで談笑し、時には趣味を交える。伝統と日常を編み直した、現代の「新しい茶会」を河合さんは提案しています。


「単にお茶を届けるだけでなく、茶文化の真髄を世界に伝える『表現者』でありたい。そして、お茶が持つ無限の可能性を、一生をかけて追求し続けたい」かつてカナダの空の下で感じた、自国の文化を語れないもどかしさと、そこから生まれた決意。その火を絶やすことなく、今日も河合さんは急須を手に取り、新しいお茶の歴史を編み続けています。


 


大隅茶全


宮崎県都城市中町17街区2号


TEL 0986-70-0640


 


 

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