2026.2.02
株式会社三和ネオン 上村 昭太朗さん
三和ネオンで働く上村昭太朗さんは、「看板」を通して店づくりに関わる仕事をしています。都城工業高校のインテリア科を卒業後、東京の短大へ進学。アミューズメント会社で景品のデザインやテーマパーク事業に携わったのち、卸業やものづくりの現場を経験しました。さまざまな仕事を経て気づいたのが、看板の持つ自由さと奥深さ。「何もない箱から、お客様と一緒にお店をつくっていく」。その過程に、今のやりがいを見出しています。

デザインの現場から気づいた“看板”の可能性
上村さんは、都城工業高校のインテリア科を卒業後、東京の短大へ進学。卒業後は、アミューズメント会社に入社し、ゲームセンターの景品デザイン業務を担当しました。キャラクターや世界観を意識したデザイン、来場者の目を引く仕掛けづくりなど、クリエイティブな現場で経験を積んでいきます。その後はテーマパーク事業にも携わり、「空間全体で人を楽しませる」仕事の面白さを実感しました。
約2年半勤務した後、新たな経験を求めて退社。次に選んだのは、雑貨や革製品の卸業。商品を“つくる側”から“届ける側”へ立場が変わったことで、モノが売れる背景や、店づくりの重要性を改めて感じるようになります。
そうした経験を重ねる中で、自然と惹かれていったのが「看板」という存在でした。デザインであり、情報であり、店の顔でもある看板。「こんなに自由で、表現の幅が広い仕事はない」と感じ、三和ネオンの仕事に本格的に関わるようになります。

看板は“完成品”じゃない。店づくりの入口
上村さんが看板づくりで大切にしているのは、「完成形を一方的に押しつけないこと」。看板はただ取り付けて終わりではなく、店のスタート地点だと考えています。
「何もない箱のような状態の店舗に、どういうお店にしたいかを一緒に描いていく。その時間が一番楽しいんです」と話します。業種や立地、ターゲット層、オーナーの想いを丁寧に聞き取りながら、看板の形・色・文字を考えていく。そこには正解がなく、自由な発想が求められます。
三和ネオンには約10人のスタッフが在籍。現場作業だけでなく、上村さん自身もミーティング、打ち合わせ、納期確認、見積作成などの事務作業を日常的に行っています。「看板屋だけど、デスクワークが多いですよ」と笑いますが、その裏には“段取り”の大切さがあります。
お客様と一緒に悩み、形にし、店が完成したときの達成感は格別。「看板をきっかけに、お店が生き生きしていく瞬間を見るのが嬉しい」と語ります。

都城のまちに、記憶に残る景色を増やしたい
上村さんは、「一つひとつの看板が、都城の記憶になる」と考えています。
「この看板を見て、この店に入ったな」「ここでこんな時間を過ごしたな」。そんな思い出のきっかけになる存在が、看板だと感じているからです。
だからこそ、三和ネオンでは“流行っているから”ではなく、“その店らしさ”を何より大切にしています。派手でなくても、長く愛される看板。時間が経っても、その店の雰囲気に馴染むデザイン。
「お客様と一緒につくった店が、まちに根づいていくのを見ると、この仕事をしていて良かったと思います」。
これまでのデザイン、テーマパーク、卸業といった多様な経験は、今すべて看板づくりに生きています。
何もない場所から始まり、人が集い、物語が生まれる。その入口に立ち会える仕事として、上村さんは今日も都城のまちに、新しい景色を描き続けています。